メールで予約
LINEで予約・問い合わせ
0952-65-2298

心について

「自分らしさがわからない」と心が眠り出す理由|4,500時間の臨床から見た『心の防衛本能』と再決断

【この記事の内容は…】
「自分が何者かわからない」「空っぽな感じがする」——その正体は、幼い頃に無意識に受け取った「ありのままの自分」を制限する心理的制約なのかもしれません。22年・4,500時間を優に超える臨床経験と、1,000時間を超える心の専門的な訓練と学びから見えてきた、自分らしさの核心に触れようとしたとき、心が示す意外なサイン(眠気)についても、実体験を交えてお伝えします。

「本当の気持ちがわからない」
「自分の人生を生きている実感が持てない」

そう感じられているのは、あなたが弱いからでも、おかしいからでもありません。むしろ、これまでの人生で、周囲の期待や役割に応えようと懸命に「自分ではない誰か」を演じてきた、生きる上での最善の選択でもあります。

自分らしさという、私にとって深く、大切なテーマに向き合おうとするとき。私たちの心は、時に身体を通して不思議な反応を示すことがあります。私が体験した「抗えない眠気」の話を入り口に、一緒に考えてみませんか。

濃い霧の中を一人で歩く人物のシルエット。自分が何者かわからないアイデンティティの喪失や、心の防衛機制を象徴する心理カウンセリングのイメージ画像。

「自分が何者かわからない」-その霧の奥にある本当の自分を見つけるために。

自分らしさがわからなくなったとき、心は眠ろうとした

4月12日、丸一日の研修中、何度も抗えない眠気をずっと感じてました。
前日はカウンセラー仲間との飲み会で少し飲み過ぎましたし、寝たのも3時半で早くはなかったです。だからそのせいだと思っていました。

研修中は、「2日酔いかな」「遅かったしな。」と。耳には入っていましたが、目を閉じることも度々ありました。

帰りは福岡から佐賀まで車で2時間半。
途中で眠くなるだろうな。どこかで仮眠を取らないと、危ないな。そんなことも考えていました。

研修が終わって、ハンドルを握ったら、不思議なくらい目が冴えました。
2時間半、一度も眠らなくて帰り着きました。

ただの眠気じゃなかったんです。
運転しているから目が冴えた。そうは言えないんです。これまで運転中に強烈な眠気に襲われて、車止めて寝たことも一度や二度ではありません。
それに寝るの早くない。と言っても、5時間弱は寝れてます。
その位の睡眠時間はよくある事なので。

ワークショップでよく見る光景

そしたら何で研修中あんなに眠かったの?
思い当たることがあります。
ワークショップの時に、よく目にする光景です。ワークショップは20人とか複数の人が参加し、その中でカウンセリングを受ける人が一人ずつ受けて、他の参加者はそれを見ています。

そういう時間なのですが、何人か眠る人いるんです。
最初は「部屋が温かいから」とか、「疲れているから」「昼ごはん食べて温かいしね」と思っていました。でもですね、そのワークが終わると、嘘のように目が冴えるんです。
目が冴えるは私の実体験で、眠られてる方も、そのワークが終わったら、目を覚まされるのですよね。

これは居眠りじゃないんです。

心理的な核心部分を、何層もの強固な壁と濃い霧(眠気)が包み込んでいる概念図。触れたくない問題から心を守るための防衛機制を可視化したインフォグラフィック。

それは単なる疲れではなく、心があなたを守ろうとする「防衛」の形かもしれません。


目の前で行われているワークの内容を、心が聞きたくない。そんなこころの叫びが、眠気という形で現る。防衛なんです。防衛って、自分の中にある触れたくない心の問題に触れそうになったとき、心が「聞かない」という選択をして、その手段の一つが、眠ることなんです。

研修中の私って、まさにそうだったんです。
自分らしさに関わるこの禁止令は、私自身にも深く関連するこころの問題という自覚は、ずいぶん前からありました。だからこそ、眠くなったのは心が「聞きたくない」と叫んでいたんだって、家に帰ってから腑に落ちました。

防衛は、眠気だけではありません。
大事な話をしているときに急に話題を変えたくなったり、誰かの言葉に、なぜか身体がこわばる。忙しさを理由に、考えることを後回しにし続けたり、心当たりはありませんか。それも同じ、心が「今はまだ触れたくない」と言っているサインかもしれません。

そんな私の防衛が働いた講義の内容は、アイデンティティ、自分らしさとは何か。それをテーマにした研修です。

「自分らしさがわからない」——その悩みの正体

カウンセリングの中で、こういった言葉を何度も聞かせて頂いてきました。

  • 自分とは何かわからない。
  • 自分が空っぽな感じがする。
  • 本当の気持ちがわからない。
  • 自分の人生を生きている気がしない。
  • 何のために生きているのかわからない。

22年目になり、4500時間を超える時間(2025年末までに)カウンセリングさせて頂いてきましたが、この訴えはほぼ全て、アイデンティティ——自分らしさの揺らぎから起きているときに出てくる言葉だと感じてきました。

ではなぜ、「自分らしさ」がわからなくなるのか。
交流分析(TA)に「お前であるな」という禁止令があります。
禁止令とは、幼い頃に親や環境から受け取った、言葉にならないメッセージのことです。

  • 「お姉ちゃんと比べて、あなたは勉強ができない」
  • 「他の子みたいに、元気よく遊べないの?」
  • 「男の子なんだから、もっとしっかりしなさい」
  • 「女の子なんだから、そんなことしなくていい」
無数の透明な糸に縛られ、身動きが取れなくなっている人物。糸には「お姉ちゃんと比べて」「男の子なんだから」といった禁止令の言葉が書かれており、アイデンティティの抑圧を象徴している。

幼い頃に受け取った「メッセージの糸」が、今のあなたを縛り付けているのかもしれません。

こうしたメッセージを繰り返し受け取るうち、子どもは心のどこかで決断します。
ありのままの自分では、いけないんだ。
誰か別の人のようにならなければ、愛されないんだ。
その決断は、成長してからも静かに自分の中で生き続け立証しようとします。

その禁止令が、日常のどこに現れているか

「お前であるな」の影響を受けているとき、こんな感覚を持つことがあります。

  • 自分のある部分を、強く否定したくなる——容姿、能力、性格、感情の出し方。「こんな自分はダメだ」と思い続けている何かが、ある。
  • 人と比べて、劣等感を埋めようとし続ける——もっと頑張れば、もっとうまくやれれば。でも何かが満たされない。
  • 本当の気持ちがわからなくなる——「自分はどう感じているのか」より先に「どう感じるべきか」が来てしまう。自分の感情が遠くにある感じ。
  • 自分の人生を生きていない感覚がある——仕事も、人間関係も、こなしてはいる。でも「これが自分の人生なのか」という実感が持てない。

心当たりがあるとしたらそれは、弱さでも、おかしさでもありません。
ずっと「自分ではない誰か」であろうとしてきた心が、苦しいって教えてくれているサインかもしれません。

時代の変化が、「自分らしさ」を難しくする

かつては、アイデンティティ——自分らしさは、ある程度「枠」が決めてくれていました。
就職すれば「会社員の自分」、家庭に入れば「母親の自分」、地域の中で役割を持てば「その役割の自分」。単純で社会の枠組みがはっきりしていた時代は、その枠に収まることで、なんとなく自分というものが形になっていました。

でも今は違います。
働き方も、家族のかたちも、生き方の選択肢も、かつてとは比べものにならないほど多様になりました。選べる自由が増えた分、「自分はどう生きればいいのか」という問いに、誰も答えを用意してくれない時代になりました。

左側には古い地図や羅針盤が置かれた書斎、右側には目印のない広大な海が広がる対比画像。かつての社会的な枠組みと、現代の自由すぎるがゆえのアイデンティティ喪失を象徴している。

枠組みのあった時代から、答えのない広大な海へ。現代の「わからなさ」は、あなたの弱さではありません。

だから今、「自分らしさがわからない」という悩みを抱える人が増えているのは、当然のことだと私は思っています。むしろそれは、真剣に自分と向き合おうとされている証拠ではないでしょうか。

自分らしさに関わるこの禁止令は、私自身にも深く関連するこころの問題という自覚はずいぶん前からありました。だからこそ、研修の時に眠くなったのは私の心が「聞きたくない」と叫んでいたんだって、家に帰ってから腑に落ちました。

80歳を超えた師が、次の世代に渡そうとしているもの

ちょっと話それますが、その研修でふと思い出したことがありました。
80歳を超えられたマクニール先生についてのお話を聞いている時です。かつて80歳前後から毎年定期的に講義を続けてくださった杉田峰康先生。今思えば、その講義は、これまでの知見や臨床への想いを伝えてくださっていたのではないかとふと思い出しました。

そろそろかな、いつだろうかなと、楽しみに待っていたら、こんな言葉を聞きました。
「杉田先生は現役を退かれました。」
その言葉を聞いたときのことは、今でも鮮明に覚えています。

80歳を超えられたマクニール先生が、最新の診断表やその背景についてや、それ以外の事についても次の世代にこれまで培かわれて来られた知見を渡そうとされている様な姿勢を感じ、杉田先生にして頂いたような。マクニール先生も同じことをしてくださっているのではないか、と。

世界中のセラピストが見たいと声を上げる最新版の診断表や受けたいと渇望するけど、限られた人しか参加できないワークショップに参加させていただけること。これを記していると、涙が溢れてきます。
ただそれだけなのですけど。

暖かい光を放つ古い書物が、年長者の手から若い世代の手へと受け継がれている。マクニール先生や杉田先生といった先達から受け継いだ心理学の知恵を象徴するイメージ。

受け継がれる灯火を、今、あなたに

そんな心の事、知識や技術を必要な人に届けたい。
私はそう思います。

自分らしさは、探すものではなく、気づくもの

「お前であるな」という禁止令への再決断は、こういうものです。
私は、ありのままで価値がある。

ただ、その再決断は、言葉として知っているだけでは届かない。
自分がいつ、どこで、「ありのままではいけない」と決断したのか——その場所まで一緒に降りていく作業が必要です。

自分らしさというのに触る事が苦しくて、私は眠くなることで心を守っていました。
幸せになるってわかってるのに。心が必死に自分を守ろうとしているサインだったんですね。
その防衛の奥に、本当の自分らしさが眠っているんでしょうけどね。

22年、4,500時間を超える臨床の中で、様々な方の心に伴走させていただいてきました。

自分らしさがわからない。空っぽな感じがする。何のために生きているかわからない。
そういう言葉を伝えてくださる方とも、一緒に。

敬意を表します。

もし今、そういう想いを抱えながら、それでも一歩踏み出したいと思われているなら。
ぜひ、一緒に歩かせてください。

体験カウンセリングのご予約はこちら

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

予約