前回のセッションから9ヶ月…
心理カウンセラー自身が「競争の苦しさ」から解放された、5つの劇的な変化を公開します。
このコラムは、『競争していた』と心理カウンセラーとの会話で感じた心理カウンセラーが、
カウンセリングを通して“競争の苦しさの正体”と“心のプログラム(禁止令)”に気づいたカウンセリングの実録です。
実際のセッションのやりとりと、そこで見えてきた心の仕組みを詳しく書いています。
まだ読んでいない方は、先にこちらからどうぞ。
▶︎『競争するのをやめたい心理カウンセラーが、自分の心と向き合った記録』(記事リンク)
9ヶ月で私に起こった5つの劇的な心の変化〜あなたにも起こり得る変化の兆し〜
【変化1】スモールステップが初めて腑に落ちた理由
以前、書籍を読んだりアドバイスをもらったりして、「スモールステップ」という考え方は頭では理解していました。でも、腑に落ちなかった・・・しっくりこなかったのです。
※スモールステップとは、大きな目標を小さな段階的行動に分解し、達成可能な一歩ずつ進めていく心理学的手法
それは、私の場合、「500点」という基準が「完璧」や「成功」の象徴だったため、途中の100点や150点では、まだ「十分な達成感」が得られませんでした。
“500=おじいちゃん”という基準
【ビフォーアフター】500点基準からの解放
- 前:500=おじいちゃん(完璧)なら、認められる
- 途中:100点でも「まだ400足りない」
- 後:1点でも「1を成し遂げた!」と達成感を感じれる
つまり:100点取っても「おじいちゃん(500)には届かない」と思い込み、成し遂げた気がしませんでした。大人になってもこの基準が残っていました。
100点を取ったり、過程で色々やってきたのが1…150というスモールステップだけど、認めてもらてそうだけど、「おじいちゃん(500)みたいになれるよ!」というおばあちゃんの期待には至っていない。だから、成し遂げてはいません。
大人になっても、自分が小さい時に決めたこの思い込みを立証し続けていたのです。
“成し遂げるな”の禁止令が生み出す矛盾
交流分析における「成し遂げるな(Don’t Make It)」の禁止令は、非常に矛盾した心理状態を生み出します。
「完璧にやり遂げなければならない」という強いプレッシャーがありましたが、その「完璧」=「500点」はあまりにも高すぎて達成できませんでした。
だから、途中の100点を取った時点でも、「まだ十分ではない」と感じてしまうのです。
結果として「続かない」「投げ出す」という行動パターンになります。
これは、本人の意志ではなく、幼少期に無意識に刷り込まれた「心のプログラム」なのです。
“1をやったら1を成し遂げた”と感じられるようになった
それが、もう辞めることができました!
1つ1つの達成感を素直に喜び、積み重ねていくことの大切さを実感しています。
こうして幸せが自然と広がっていくのを感じることができるのです。
セラピーを受ける前は:
1をやっても「まだ499足りない」
100をやっても「まだ400足りない」
だから「成し遂げていない」という虚しさと言いますか焦り
途中で力尽きて「やっぱり成し遂げられなかった」という自分が決めた事を証明していたのです。
セラピーを受けた後は:
1をやったら「1を成し遂げた!」
2をやったら「2も成し遂げた!」
小さな達成感の積み重ねが、幸せの実感になる
続けられる自分に気づく
“やらなきゃ”から”やる”を選べるようになった
カウンセリングを受けてから、今では当たり前の様なのですが振り返ってみると、9ヶ月以上が経った今も、最も大きな変化は、「やらなきゃ」から「やる」を選べるようになったことです。
以前の私:駆り立てられる競争心
自分で選んだわけではなく駆り立てられて
「何くそ!負けるか!」と競争心が湧いてきます。
気づいたら全力で走っている
でも終わった後は虚しさと疲労感
競争心を”使う”ことができるようになった
今の私:選べる競争心
自分で現状を把握して
「そしたらやる!」と選べる
ここでは競争心が一番良い効果を表すだろうから、選んで自分で感じることができる
終わった後も満足感があります。
競争心に駆り立てられて、自分の意志で選択している訳ではない状態はきついです。
今では、必要な時に競争心を「選択」することもできます。競争しないで自分のやりたい事を競争しなくても取り組めるのでもう選びませんが、自分の意志で「選べる」ようになりました。
幸せの幅が広がった
| 以前 | 9ヶ月後 |
|---|---|
| 外側依存(勝つ・認められる) | 内側生成(やりたい・達成感) |
| 虚しさ・疲労 | 満足感・幸せ拡大 |
自分で選べる幅が広がって、周りの環境に左右されない幸せの幅が広がった感じです。
環境に左右される幸せ vs 自分で選ぶ幸せ
以前の幸せ:
誰かに勝った時 / 認められた時 / 期待に応えられた時
→全て「外側」が決める幸せです。
今の幸せ:
自分がやりたいことをやっている時 / 小さなステップを達成した時 / 自分で選択できている時
→「内側」から湧き上がる幸せ
周囲の状況は変わっていなくても、自分の感じ方や心の在り方が確実に変わり、より楽に、幸せに生きられるようになったと実感しています。
今はそれが当たり前で、振り返ったら「そういわれればそうだ。」と、実感します。❤️
心理カウンセラーとして実感したこと
理論を知っているのと体験するのは別物
心理カウンセラーという職業柄、「成し遂げるな」の禁止令については、専門知識として理解していました。
でも、実際にそのワークを受けてみたら、気づかないうちにその考えに流されている自分に驚きました😳
頭で分かることと腹に落ちること
頭で分かる:理論、知識、概念として理解している
腹に落ちる:身体で感じ、感情で体験し、日常で実践できる
この違いは非常に大きいのです。
A(大人の自我状態)が抑えられるメカニズム
交流分析では、心の状態を「親(P)」「大人(A)」「子ども(C)」の3つに分けて考えます。
Aとは何か
A(Adult)=大人の自我状態
冷静に判断する心の状態
現実を客観的に見る力
合理的に思考する機能
禁止令が働くとAが機能しなくなる
「こうしなければ」「できない」といった思い込み=禁止令が働くと、心は一気に「子ども(C)」みたいな衝動や感情を優先させる方向に傾きやすくなります🌱
同時に、「危険や失敗を避ける」ための自己防衛反応も働き、「もうこれ以上、冷静に判断していられない」「このままではダメだ」と自己規制を強化します。
人前で話すと頭が真っ白になる心理
具体例:人前で話す時の頭の真っ白
例えば:
一人で練習しているときは自信を持って話せるのに、大勢の前に立つと急に怖くなって頭が真っ白になってしまう。
これはなぜ起こるのか:
•「完璧にしなきゃ」「失敗できない」という思い込み(禁止令)が働く
•冷静に考える「A(大人の自我状態)」が抑えられる
•自然な感情や衝動(C=子どもの自我状態)が出やすくなる
•恐怖、不安、パニックが優位になる
•結果として「A」そのものの働きが弱まり、感情や衝動に振り回される
心がその渦中にいるときは、普段の自分の冷静な判断や気持ちに気づきにくくなる、という仕組みなんです。
知識があっても客観視が必要
だからこそ、知識があっても、心の状態を客観的に見る視点や感情に寄り添う大切さを実感しています💡
専門家で理屈ではわかっていても、日常には落とし込めないような、自分の心の仕組みもあるんです。
この変化はあなたにも起こる
9ヶ月後の私が証明するように、誰でも変えられるのです。
次回は、この変化の原因「成し遂げるなの禁止令」を解説→第3話へ






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